「エネルギーを消費する(ごみ)処理からエネルギーを生産する処理への転換を」。19日埼玉県宮代町の日本工業大学で開かれた環境講演会で同大学の佐藤教授は「宮代町のごみ問題ーその歴史と課題」と題して講演し、新たなごみ処理の考え方を提唱した。
こうした考え方は、常に先進的にごみ処理問題に取り組んできた久喜宮代衛生組合の次のごみ処理施設建設の中でも検討される見通しで、同組合がとりまとめを進めている「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」の素案の中にも表記されている。同計画は、平成22 年3月23 日、市町合併により旧久喜市、旧菖蒲町、旧栗橋町及び旧鷲宮町が新「久喜市」となったことに伴い久喜宮代衛生組合の共同処理する事務の対象も新久喜市及び宮代町へと変更となったため、新久喜市及び宮代町を管内とする区域における減量化・資源化目標等を設定するもの。
佐藤氏によると、これからのごみ処理は「エネルギーを消費する処理からエネルギーを生産する処理への転換を」図るべきだとし、具体的には「紙とプラスチックを発電用燃料とし、工業団地にごみ発電所を建設して、団地内の企業に電力供給する」「生ごみでバイオガスを製造し、都市ガス、下水処理場バイオガスなどとともに混合して利用する」計画。
久喜宮代衛生組合では、 「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」の素案の中で、久喜宮代清掃センターのごみ焼却施設(発電所)について、26年度中に施設基本計画・住民同意・用地確保などを進め、30年度中完成、31年度からの稼動を盛り込み、生ごみ処理施設(バイオガス製造)についても26年度中に施設基本計画・住民同意・用地確保などを進め、27年度中建設、28年度からの稼動を意図する計画を示している。
佐藤氏は、こうした考え方の背景として、旧久喜宮代衛生組合の焼却施設建設から50年を経て、「周辺住民の負担は限界を超えている。現地に同種の施設を再建すべきではない」「ごみ処理工場は化学工場と同じ。住宅地域に建設すべきではない」ともした。
久喜宮代衛生組合の 「一般廃棄物(ごみ)処理基本計画」については、現在パブリックコメントの受付が終了した段階で、これら先進的な計画のこれからの展開と具体化が注目されている。
19日開催された日本工業大学環境講演会は、環境教育・大学の環境改善に積極的に取り組む日本工業大学が毎年開催しているもので、エポックとなるテーマを選んで、それに関連する講師を招いて学生や一般市民を対象に行っているもの。
こうした取り組みなどが評価され、日本工業大学は昨年のエコ大学ランキングで、総合1位を獲得した。
同大学では、さらに地域との連携を深め、宮代町のまちづくりにも力を注ぐため、大学院に環境共生システム学専攻を設置した。
また、宮代町の環境を考えるシンポジュウムも3月2日に同大学LCセンターで開催する。
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