講師は町職員、身近な問題から説き起こす、そんな「顔の見える減災講習」が17日、宮代町のコミュニティセンター・進修館で開催され、ざっくばらんな雰囲気の中で本音の防災講演が行なわれた。
この講演が行われたのは、宮代町のシニアーを対象とした生涯学習の場「みやしろ大学」。
講師は、宮代町の町民生活課の生活安全担当の職員。こうした、講演会では著名な講師を招いての講習が多いが、今回はより身近な防災に関する被害予防措置をということで、町職員の講演となった。
先の東日本大震災時の宮代町民の疑問は「何故宮代町は周辺に比べて、震度6弱高い震度が表示されたか」ということ。従来から、周辺市町に比べて、高い震度が表示されることが多かったが、先の東日本大震災では、埼玉県で唯一「6弱」となった。だが、死者・重傷者等ゼロ。火災発生無し。建物被害は屋根瓦のずれ・落下・破損など周辺市町と比べても目だった差は見られない。震度の割には被害が軽微だったということで「6弱」にクエスチョンマークをつける町民も多い。
講師は、「6弱というのは計測震度で5.5以上6.0未満。宮代町は5.5だった。隣町は5.4だったので5強となった」
「さらに、宮代町の震度計が設置されている場所(役場中庭)は、蓮谷地区と呼ばれるところで、以前は田圃や沼地だったところを造成した場所。ゆれやすい地盤ともいえる」との説明に、会場の人も納得。
こうした説明を始め、一般的な防災・減災の心得や建物の耐震診断・耐震改修の制度等町の取り組み等身近で実践的な講演。宮代町の状況を熟知した町職員の「顔の見える説明」に納得の会場となった。
なお、宮代町ではこうした町職員による密接な防災・減災講演のほか、9月9日には科学実験による自然災害への心構えの「防災講演会」を開催するほか
9月29,30日は避難所宿泊訓練、10月14日には町としての防災訓練。さらには各自主防災組織によるきめ細かな防災訓練など、様々な形での防災・減災への取り組みを行なっている。