「朝ははやくおきて、顔や頭をあらひ、ぬれてぬぐいでからだをふきなさい」「毎日すずしいうちに復習(おさらい)をしなさい」「なるべくすずしいところで元気よくあそびなさい」百間尋常高等小学校(現宮代町立百間小学校)が大正7年に児童や保護者に出した「夏休み中の心得」の一部。
明治・大正・昭和の子供たちはどんな夏休みを過ごしていたか、また、どんなところに夏休み旅行していたか。宮代町郷土資料館では「夏の思い出」と題して企画展を開催中である。10月14日まで。
7月22日現在、宮代町の公立小・中学校は夏休みに入ったが、大正7年の百間尋常高等小学校の夏休み中の心得によると、夏休みは8月1日から31日までの1ヶ月間。同資料には、その間の生活の注意が細かく述べられていて興味深い。
夏休みといえば先の心得にも出ているが、「学校から出した課題はのこらずやりなさい」「できるだけうちの手伝いをしなさい」とし、その様子を日誌の形で提出が求められる。
その「夏季休業日誌」を読むと当時の生活ぶりや子どもたちの手伝いの様子がうかがわれる。
夏の暑さ対策は「団扇」と「扇風機」。先の心得では「なま水をのみ、あからまぬ果物、又はあからみすぎた果物をたべてはいけません」「夜ははやくやすみ、はらをひやさぬやうにしなさい」とも。
夏休みの楽しみといえば「旅行」。
今回の展示では、約200点の当時(明治から昭和初期)の写真(絵葉書)が展示されている。
「日帰りあるいは一泊程度の近郊の観光地の絵葉書を中心」にしているが、
これらの資料は宮代町の人が所有していたもので、かなり広範囲に「旅」をしていたことをうかがわせる。
夏休みの予定がまだの児童・生徒は、この企画展を見てから、同じ場所にいってどう変わっているかなどを調べるのも夏休みの課題としては面白いのでは・・・・。
明治39年の日比谷公園全景図や
千葉(稲毛・銚子・成田山)、茨城(水戸・霞ヶ浦・大洗)、栃木(那須・佐野・日光)、群馬(藪塚・太田)、埼玉(秩父)、神奈川(鎌倉・江ノ島)などの地図や絵葉書など当時のこの地を知る上でも興味深い展示となっている。
まや、「がんばろう!東北」として、宮城県・松島の明治時代の絵葉書も展示されている。